春日町第三自治会

コロナウイルス感染予防と治療薬について

新型コロナウイルスの正式名称:「SARS-CoV-2」
因みに「SARS」とは
 S(Severe)=重症
 A(Acute)=急性
 R(Respiratory)=呼吸器
 S(Syndrome)=症候群
 のことであり、日本名で言えばそのまま「重症急性呼吸器症候群」となる。

新型コロナウイルスは2019年11月に中国武漢で発生が確認され、同年12月31日に最初に世界保健機関 (WHO) に報告された。
その後、中国の全ての省に蔓延し、またアジア、ヨーロッパ、北米、アフリカ、オセアニアなど他の160以上の国にも拡散した。
厚生労働省は16日、神奈川県在住の30代男性から同ウイルスが検出されたことを公表した。この男性は1月3日に武漢市で発熱し、6日に帰国後、同日に神奈川県内の医療機関を受診していました。
 2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗船客の間で感染報道で一躍注目を浴びるようになりました。
約半年後2020年6月14日現在、世界での感染者数は、約771万人・死者数は、約42万人を超えおり、日本国内でも感染者17,454人 死者927人(クルーズ船除く)【2020/6/13現在】と拡大中で収束の気配もありません。

「長期化を免れない感染予防の実施」と「新型コロナウイルス治療と治療薬の現状」について、以下にまとめてみました。

【目次】


1.効果的な予防

新型コロナウイルス感染症の予防法【2020/05/17 追記】

 ●基本的な感染予防の実施や不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けること等が重要
  ①密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
  ②密集場所(多くの人が密集している)
  ③密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)


 ●効果的な治療薬が存在しない現時点では、予防を心がけなければならない。
 ※日常生活で心がけること
   ●こまめな手洗い
   ●規則正しい生活・・・食事と睡眠はしっかり取る、適度の運動も忘れずに!
   ●人ごみの多い場所を避ける・・・感染者が出た地域には、近づかないこと
   ●適度な湿度を保つ
   ●免疫力を下げない食事を摂取
     たんぱく質を含む食品:たんぱく質は、炭水化物や脂質と共にエネルギーをつくる栄養素のひとつ
     善玉菌を増やす食品:ヨーグルト / 乳酸菌飲料 / 発酵食品
     善玉菌を増やす作用をする食品:野菜 / 果物 / 豆類 / ごぼう / 玉ねぎ
   ●換気と熱中症対策

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2.新型コロナウイルスの感染検査

検査方法:PCR(Polymerase Chain Reaction)検査と抗原検査の2つがあります。
※2つの検査方法の違いは、次の表のようになります。

 
検査種類 PCR検査 抗原検査
調べる対象 ウイルスを特徴づける遺伝子配列 ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)
精度 ◎:抗原検査より少ない量のウイルスを検出できる ○:検出には、一定以上のウイルス量が必要
検査実施場所 △:検体を検査機関に搬送して実施 ◎:検体採取場所で実施
判定時間 △:数時間+検査機関への搬送時間 ◎:約30分

注)PCR検査の精度:最もウイルスを検出しやすい発症3日後ぐらいでも、実際は感染しているのに「陰性」と判断される偽陰性は20%ほどとの報告があります。

注2)横浜市立大学などの研究グループは、新型コロナウイルス抗原を特異的に検出できるモノクローナル抗体を開発することに成功した。簡便かつ短時間に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)だけを正しく検出できるイムノクロマト キットの開発を目指し、開発中。【2020/4/20発表】


コロナ検査態勢拡充へ【2020/8/7発信】

●8月7日:厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、秋から冬にかけて「ピーク時に全国で1日あたり最大5万6千件の検査が必要となる見込んでいる」と発表した。
 「現在1日当たりの検査実績は、PCR検査だけで約2万件であるが、これをPCR検査を5万2千件、2種類の抗体検査3万4千件に拡充する」とした。【2020/8/7(外部リンク)】


【過去記事】

④島津製作所は26日、4月20日に発売した新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査試薬の検体として唾液も使えることを確認したと発表した。工程の一部を省き、2時間以上かかっていた検査を最短1時間でできる試薬。
●今回確認できたこと:鼻の奥や喉から検体を採取する方法に比べ簡便で、医療従事者の感染リスクを減らせる。
●日本医師会からの提案を受け、唾液での精度を調べたところ、従来の方法と同等の結果が確認された。 【2020/5/27 発信】

③国内初の検査キットの承認(厚生労働省から):みらかHD、新型コロナ簡易検査キットの承認取得
 現在、主に実施されている新型コロナのウイルス遺伝子を検出するPCR検査は結果が出るのに4~6時間かかり、患者が結果を知るのにもさらに時間を要するが、簡易検査キットでは酵素の反応開始から30分以内で判定が可能。(外部リンク)

②新型コロナウイルスを15~30分の短時間で検出:横浜市立大学
 横浜市立大学は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を特異的に検出できるモノクローナル抗体の開発に成功
 厚生労働省は新型コロナウイルスの数千人規模抗体検査を目指し、東京都や東北など地域ごとに実施する方針を固めた。

①キヤノンメディカルと長崎大学が共同開発された「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法」【外部リンク】について情報をアップロードします。
従来の遺伝子検査法に比べて迅速な検査が実現される。
感染者拡大防止や外国との交流(経済的損失の極小化のため)が不可欠なこんにち、期待される検査法と機材が完成した。
今後、病院や空港などに設置が進められるとの事。【外部リンク】

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3.治療と治療薬の現状

新型コロナウイルスは治療に関する研究が進んでいますが、病気のメカニズムは十分解明されておらず、患者の症状に合わせてさまざまな治療薬が使われています。【2020/09/18 更新】

 ①新型コロナ 投薬治療のガイドライン 学会が初めて作成(9/9)
  日本集中治療医学会と日本救急医学会は、世界各国の研究論文などを分析したうえで、どのような状態の患者にどの薬を投与すべきかをまとめたガイドラインを初めて作成しました。

  ●ステロイド剤の「デキサメタゾン」は中等症と重症の患者には投与を強く推奨する一方で、軽症の患者には逆に投与しないことを強く推奨
  ●「レムデシビル」は、軽症の患者については効果が確認されておらず現時点で推奨していません
  ●「アビガン」は、軽症患者への投与は弱く推奨し、中等症と重症の患者への投与は現時点で推奨していません。

 ②新型コロナ治療薬 回復した人の抗体もとに開発へ 福島県立医大(9/7)
  「中和抗体」をもとに薬を開発する計画などについて説明しました。
  新型コロナウイルスの治療薬は、現在、ほかの病気の治療薬で効果が確認されたものなどが使われていますが、回復した人の血液中にあるウイルスの増殖を抑える働きのある「中和抗体」と呼ばれるたんぱく質をもとに薬を作れば、効果が高いのではないかと期待されています。

 ③鹿児島大がコロナの新治療法 炎症起こす細胞除去で重症化予防(8/31)
  鹿児島大学は新型コロナウイルスの新たな治療法として、臓器に炎症を引き起こす血液中の細胞を特殊な医療機器を使って取り除くことで、重症化を予防できるとする研究成果を発表


新型コロナ、抗体に感染防ぐ能力確認、日本で初めて(外部リンク)

厚生労働省は14日、6月に宮城、東京、大阪の3都府県で実施した新型コロナウイルスの疫学調査で、参加者から検出された抗体に、感染を防ぐ能力があることを確認したと明らかにした。【2020/7/14報道】


最新の集中治療患者に対する治療法

※急性すい炎や体のさまざまな部位に血栓ができる病気の薬「フサン」とともに「アビガン」を併用して投与で、集中治療中の11人の患者のうち36歳から71歳の男女10人は症状が改善に向かい、うち人工心肺装置「ECMO」や人工呼吸器を装着していた7人が1か月後には自力で呼吸ができるようになった。(外部リンク)【2020/7/8 23:10更新】


最新治療薬開発動向

※世界最高の計算速度を誇る理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を用い、新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補となる物質を数十種類発見したと発表(7/3)【京都大学の奥野恭史教授ら】(外部リンク)【2020/7/5 15:30更新】


新型コロナウイルス感染症に有効な薬はまだありません。 【2020/6/16現在】
レムデシビル、ロピナビル/リトナビル(カレトラ)、ファビピラビル(アビガン)、ヒドロキシクロロキン(プラケニル)などが治療薬の候補として、臨床研究や適応外使用という形で国内外で使用されていますが、今のところ明らかな有効性が確認されたものはまだありません。


※代表的な治療薬【2020/5/14 更新】
 レムデシビル(エボラ出血熱の治療薬):5/7に緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき薬事承認された。5/11から配送が開始され、既に一部の医療機関に到着【加藤勝信厚生労働相:5/12の閣議後会見で発表】
 「重症者で必要とされる方にしっかりと供給されるよう努力していく」とも話した。
 アビガン(新型・再興インフルエンザ感染症の抗ウイルス薬):福岡で早期投与可能にまた軽症者も対象。【医師会発表】
県内の約50医療機関で軽症を含む患者への早期投与が可能になったと発表【福岡県医師会:5/11発表】
また、効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」について、5月中の薬事承認を目指す方針を重ねて示した。


アビガン「有効性確認できず」藤田医科大【7/10 19:30更新】

藤田医科大学は10日、新型コロナウイルス感染症に対して新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の効果を検証した結果について「有効性は確認できなった」と発表した。
土井洋平教授は記者会見で「早く改善する傾向はあり、有効性がなかったという結論ではないと思う。国には依頼があればデータを提供していきたい」と話しています。
富士フイルム「発表内容を精査 治験は継続」。(外部リンク)


ファビピラビル観察研究中間報告(アビガン:一般名ファビピラビル)【2020/5/26 更新】
2020年5月15日18時時点で、407の医療施設からファビピラビル投与患者2,158例が登録され、このうちファビピラビル投与開始7日目の経過まで入力されている症例が1,713例、14日目の経過まで入力されている症例が1,282例、入院から約1か月後までに生じた転帰が入力されている症例が1,918例であった。
※臨床経過については、ファビピラビル投与開始7日目および14日目において、初期症状が改善、増悪、不変のいずれかと評価されるかを収集した。その結果、軽症例で73.8%(574例/ 778例)、中等症例で66.6%(498例/748例)、重症例で40.1%(75例/187例)。投与開始14日目の改善率は、軽症例で87.8%(506例/576例)、中等症例で84.5%(469例/555例)、重症例で60.3%(91例/151例)であった。
年齢群別で見ると、年齢群が上昇するにつれて改善率は低下し、59歳以下では7日目79.0%、14日目92.4%だったのに対し、60歳以上は7日目55.0%、14日目73.8%。死亡率(転帰入力時点)も年齢群が上昇するほど高い傾向がみられ、59歳以下の1.8%(17例/927例)に対し60歳以上は20.8%(206例/991例)だった。

注)アビガンとの因果関係が疑われる有害事象は、「尿酸値上昇または高尿酸血症」が2158例中335例(15.5%)、「肝障害または肝機能酵素上昇」が159例(7.4%)と報告され、新たな有害事象は報告されなかった。

※新たな副作用の傾向はみられず:藤田医科大学発表(2020/5/26)

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4.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの開発動向【2020/10/25 更新】

英アストラと米J&J、米での新型コロナワクチンの治験再開へ【Bloomberg 2020/10/24 10:30配信】
英アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンの米国での治験を再開する。両社が開発中のワクチンは被験者に症状が現れたことから、米当局によって一時的に治験が中断されていた。
J&Jは23日の発表資料で、米食品医薬品局(FDA)との協議後、被験者の募集再開の準備を進める考えを表明した。データの安全性をモニターする独立した諮問委員会が治験の継続を勧告した。同社は今月、治験参加者が病気になったことから臨床試験を中断した。
 J&Jは23日の発表資料で、米食品医薬品局(FDA)との協議後、被験者の募集再開の準備を進める考えを表明した。データの安全性をモニターする独立した諮問委員会が治験の継続を勧告した。同社は今月、治験参加者が病気になったことから臨床試験を中断した。
 両社の治験再開が認められたことにより、ここ数週間にわたって投げ掛けられていたワクチン開発取り組みへの影が取り払われることになる。両社は米ファイザーやモデルナと共に、ワクチン開発で先頭を走っている。
 注記:一時中断の理由とされて「臨床試験参加者の原因不明の病気が理由」の詳細については、何らの言及はされていない。


米製薬大手ファイザーは20日、日本で新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験を始めたと発表した。試験は国内の複数の医療機関で行われ、20~85歳の160人を対象に2回ずつ接種し、安全性と効果を調べる。(ロイター通信・東京)【2020/10/20 23:07更新】


J&Jのコロナワクチン臨床試験中断、参加者が原因不明の病気【2020/10/13配信】

米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が進めている新型コロナウイルスワクチン研究が一時的に中断された
同社は臨床試験参加者の原因不明の病気が理由だと説明した。
 J&Jの広報担当者ジェイク・サージェント氏は、医療関連ニュース専門のSTATが先に伝えたワクチン研究中断の報道内容を確認した。
 同社は既に米国でコロナワクチン候補の最終段階の臨床試験を開始している。最大6万人が対象で、1回の接種で効く可能性があるコロナワクチンの米国での大規模治験は初めて。


各国で新型コロナウイルスのワクチン開発が急ピッチで進められているなか、ワクチンの確保に向けた競争も激しくなっています。
 ※代表的なワクチン:「アストラゼネカ 新型コロナのワクチン」と「アメリカの製薬大手ファイザーは、ドイツの企業と共同で新型コロナウイルスのワクチン」があげられます。

 1)アストラゼネカ 新型コロナのワクチン
※アストラゼネカ 新型コロナのワクチン・第3相臨床試験臨床試験が進行中の最中、「安全性に関するデータを検証するため」一時的に中断(9/10報道)されました。
 ※イギリスの製薬大手アストラゼネカは、オックスフォード大学とともに開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験を一時的に中断したことを明らかにしました。
  ※日本でも8月下旬から臨床試験を始めていました。

しかし、中断していた臨床試験について、9月12日に出した声明で、独立した委員会が安全だと判断したなどとして再開したことを明らかにしました。
日本での臨床試験も再開へもどりました(9/14)。
 ※日本での臨床試験も再開する方針を固めたということです。日本での臨床試験は、18歳以上のおよそ250人を対象に複数の施設で行われる計画で、施設などと協議したうえで、早ければ今週から段階的に再開される見通しです。
 ※アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中のワクチンは、その中でも最も進んでいるものの1つです。


 2)アメリカの製薬大手ファイザーは、ドイツの企業と共同で新型コロナウイルスのワクチン
 ※現在、最終段階の臨床試験がアメリカやブラジルなどで行われています。
 ※このワクチンについて、ファイザーのブーラCEOは9月3日、早ければ10月中にも安全性と効果を判断するのに十分なデータが集まるという見通しを示しました。
 ●11月にアメリカの大統領選挙を控え、許可や承認の申請を急ぐよう政治的な圧力がかかっているのではないかという懸念について、ブーラCEOは、「われわれが効果と安全性があると判断するまで許可や承認の申請はしない」と述べ、影響は受けないと強調しました。
 ●開発が成功したら、来年6月末までに6000万人分(1億2000万回分)の供給を受けることで合意した(加藤康生労働大臣:7/31)。


※政府:英アストラゼネガ社と「開発中のワクチンを1億回分以上の供給を受ける」ことで合意することがわかった【2020/8/6(外部リンク)】

※英アストラゼネガ社は、早ければ9月中に海外での実用化を目指すとのこと
※1億回分のワクチンとは、1人当たり2回の投与となるので5千万人分に相当する。


【過去記事】
※治療薬は、ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」と重症化で生じる「サイトカインや急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」を改善する薬剤に分けられます。
 ※Answers News サイトでは、
 ●抗ウイルス薬
 ●重症患者に対する治療薬:サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の働きを抑える抗体医薬や、サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤
 ●新規薬剤の開発している企業
 ●ワクチン:海外と日本国内のワクチンを開発している主な企業・研究機関が紹介されている
などの開発状況が記載されている。

  
  

4.1 夏以降にコロナ「ワクチン」の成否は見えてくる
新型コロナウイルスのワクチン開発では、中国が先行しているとの報道を見かけます。
米中関係悪化で中国からの情報は期待できなくなる懸念もあります。
米モデルナ社が、このmRNAワクチンを使っての臨床試験第2相試験をスタートさせた。
 第2相試験は、8つの州の10の地域において、約600人の協力者を対象に行われる。

    

【mRNAとは?】DNAからコピーした遺伝情報に従い、たんぱく質を合成する役割を担っており、核への輸送が不要で、ゲノムへの挿入変異リスクもないため安全性に優れると考えられている。またDNAワクチンのような発がん性のリスクがないと考えられている。
さらにmRNA では新しいウイルス型の確定、ゲノム配列の確認ができれば、ワクチン設計は比較的容易です。 製造についても抗原たんぱく質の生成が不要なため、安価に大量生産できると言われています。

    

 1)モデルナ (Moderna: MRNA) 新型コロナワクチンの先駆者のmRNAワクチン【外部リンク:Bloomburg】
 モデルナ社は5月18日、初期段階での結果について、健康な被験者が同社のmRNAワクチンに反応して「中和抗体」を産生したと発表していた。
  ●第1相試験:健康な18-55歳のグループに25ug、100ug、250ugを投与して、有効性と安全性を確かめました(各15人)。00ugを二度投与した時にできた抗体のレベルが新型コロナ回復患者よりも上回っており、副作用は他のワクチンと同程度で許容できる範囲だった。
  ●第2相試験:600人(300人の18-55歳のグループ、300人の55歳以上のグループ)で試験中。
  ●第3相試験:7月より、最終段階であるPhase 3の臨床試験を行うと発表。
    

 2)英国の新型コロナワクチン候補、後期臨床試験開始へ-1万人超を採用で推進【外部リンク:akihbs】
 英国のオックスフォード大学と製薬会社アストラゼネカは、新型コロナウイルス感染症(COVID19)予防ワクチン候補の後期臨床試験を実施するため、1万人余りの被験者の募集を開始した。両者のワクチン候補は、世界で最も実用化に近づいている1つとみられる。
発表文によると、両者は1000人余りを対象とした第1相試験を完了。第2相では対象年齢を5~12歳の子供と56歳以上の成人に拡大し、さらに第3相では18歳以上のボランティアを募り、多数に対する有効性を確認する。

  

 3)第一三共 新型コロナ感染症でmRNAワクチン開発へ 21年春に臨床試験開始【外部リンク:MIXONLINE】
 第一三共は6月12日、新型コロナウイルス感染症に対する遺伝子(mRNA)ワクチンの開発を決定したと発表した。
 動物モデルを用いた試作mRNAワクチンの薬理評価にて、新型コロナウイルスに対して抗体価が上昇している結果が得られた。この結果を受けmRNAワクチンの開発を最優先プロジェクトの1つに位置づけた。2021年3月頃の臨床試験開始を目指す。

  

4.2 WHOが発表した「Draft landscape of COVID-19 candidate vaccines」によれば
世界では、100品目以上のワクチンの開発が進められており、10品目で臨床試験が実施されている。
有効なワクチンを開発するためには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病因についての情報だけでなく、感染した患者のSARS-CoV-2に対する免疫応答に関する情報が必要であるが、次のような基本情報が欠落している。
「なぜ?新型コロナのワクチン開発に追い風となる知見が明らかに」と報じられたのか?【日経バイオテク(2020.05.27)】
 有効なワクチンを開発するためには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病因についての情報だけでなく、感染した患者のSARS-CoV-2に対する免疫応答に関する情報が必要であるが、そうした報告はこれまでほとんど無かった。
この報告では、感染後に入院を必要としないで回復した、20人の患者の抗体応答とT細胞応答を解析した。
 ※軽症者(感染後に入院を必要としなかった患者)を研究対象にしたのは、「COVID-19では、何らかの普通ではないことが起こっている可能性がある」と考えて、正常な免疫応答を解析した
 このような患者では、SARS-CoV-2に対して典型的かつ強力な抗ウイルス免疫応答が起こっており、全ての人に抗体とCD4陽性T細胞(抗体応答のヘルパーT細胞)が誘導されていた。さらに、70%の人にはCD8陽性T細胞(感染細胞を殺す細胞傷害性T細胞)が誘導されていた。
 確認された免疫応答は強力であり、中途半端な免疫応答は認められなかったので、ワクチンの開発で危惧されている抗体依存性感染増強(ADE)は問題にならないであろうと示唆する重要な結果であった。「新型コロナウイルスに対しては免疫が成立しないで、再感染が起こるのではないか」といった人々の心配を吹き飛ばす結果でもあった。
 ●【日経バイオテクの記事(外部リンク)】
 ●Grifoni, A. et al., Targets of T cell responses to SARS-CoV-2 coronavirus in humans with COVID-19 disease and unexposed individuals, Cell (2020)【米La Jolla Institute for Immunology】(外部リンク:時間がかかります)

【過去記事2】
  

4-1.コロナワクチン(日本国内):早ければ7月には治験が開始できる見込み

  新型コロナウイルス感染を予防するワクチンの国内での開発に関し「東大、大阪大、国立感染症研究所などで開発が進められていて、早ければ7月には治験が開始できる見込みだ」と表明【安倍首相:5/11の衆院予算委員会で発表】(共同通信の記事)   

4-2.米国で新型コロナウイルスワクチンの人間への臨床試験開始

④新型コロナ ワクチン開発 米企業が抗体確認(FNNプライムオンライン)【2020/5/19 10:30】
アメリカのバイオテクノロジー企業「モデルナ」は18日、開発中のワクチンの初期段階の臨床試験で、8人の参加者全員に抗体が確認できたと発表。
大きな副作用は今のところ確認されていない。
7月には数千人規模の最終段階の試験を始める。
早ければ2021年初めにも実用化できる可能性があると述べた。
③「ファイザー」ワクチン4種の臨床試験開始(5/6の記事:外部リンク)
アメリカの製薬大手「ファイザー」は5日、新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験をアメリカ国内で開始したと発表。18歳から55歳と、65歳から85歳の2つのグループ、あわせて360人に投与し、安全性や適正な投与量、免疫システムの反応などを検証する。
②米Pfizer社、新型コロナのワクチンは2020年4月末、抗ウイルス薬は3Qに臨床試験へ(4/16の記事)
米Pfizer社は2020年4月9日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に向けて、今年3月にドイツBioNTech社と合意後に即時着手したCOVID-19予防ワクチンの共同開発について、正式決定した契約内容を明らかにした。(4/18の記事)
①新型コロナウイルスのワクチンの人間への臨床試験が、米国時間3月16日に開始される。(詳細:AP通信)
今回の試験は、NIH(米国立衛生研究所)と医薬品メーカーのModernaが開発した実験的なワクチン注射の効果をテストするもの。一般的なワクチンのように、活性なウイルス、あるいは非活性化したウイルスのサンプルを使ったものではない。その代わりに、ウイルスの遺伝子に含まれるメッセンジャーRNAを利用して、ターゲットの免疫反応を引き出そうというもの。
  

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Ⅰ.コロナウイルス関連リスト

Ⅱ.ページ内の記事リスト

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